Korean Folk Painting Book of Cats by Son Yu-yeong
ソン・ユヨンの猫韓国画帖
This book carefully selects 34 of the best works by Son Yu-yeong, an artist of Korean painting, widely known as Korea’s top cat artist. The book consists of five parts: Part 1 - A Cat’s Journey, Part 2 - A Window onto the World, Part 3 - Rediscovery of Chaekgeori Paintings, Part 4 - Animal Paintings from Joseon Dynasty and Parody Folk Paintings, and Part 5 - Portraits of Cats. In each part, stories about the cats and the backgrounds of each painting are told in short essays.
Her early works are mainly folk paintings that parody cat paintings of the Joseon Dynasty, but her recent works show a variety of pictorial experiments, ranging from creative folk paintings that incorporate elements such as windows and doors that symbolize communication with the world, to reinterpretations of chaekgeori folk paintings and cat portraits depicting precious relations with people around her. In particular, the detailed depiction of the bodies of cats, which comes from her solid foundation of knowledge, is the most attractive part of this book.
この本は、韓国を代表する猫絵作家として知られる韓国画家(韓国画:近代以降に韓国の伝統的な技法と様式で描かれた絵を西洋画と区別するための呼称)ソン・ユヨンの代表作から34点を厳選した画集で、第1部:トコトコ猫の旅、第2部:世界に向けて開かれた窓、第3部:チェッコリ画(チェッコリ:冊巨里、朝鮮時代に流行した絵画様式で、書物をはじめそれと関連する文具や生活用品など文人の生活に用いられる品々が描かれたもの)の再発見、第4部朝鮮翎毛画(小鳥や小動物を描いた絵)のパロディ民画、第5部:猫の肖像の5つのテーマに分け、それぞれの絵に描かれた猫のエピソードや創作背景を飾り気のないエッセイの形で紹介している。
画家ソン・ユヨンの初期の作品は、朝鮮時代の猫の絵のパロディ民画(山水、花鳥などの伝統絵画を模倣した庶民の実用的な民俗絵画)が主流だったが、最近では世界との疎通を象徴する窓や扉などの要素を取り入れた創作民画、チェッコリ民画の再解釈、知人との縁が細やかな筆で描き込まれた猫の肖像画に至るまで、様々な方式の絵画的実験の成果を見せている。特に、確かな基礎技術を生かした猫の体の細やかな描写は秀逸で、この本の最大の魅力ポイントともなっている。画家は猫のことを、単に愛らしいモデルとして見ているのではない。その絵には、ボミという名の猫との暮らしの中で感じるあふれんばかりの家族愛が込められている。また巻末付録として猫の民画家がよく借用する朝鮮時代の猫の絵が大判で収録され、さらに猫部分の下絵も添えられている。
この本は、*手のひらの上の美術館**というテーマのもとヤオン書架が企画した*猫画帖**シリーズの第一号だ。180度開帳の背表紙なし糸綴じ製本、A4サイズの大きな判型、猫の体の繊細な描写を鮮やかに見せる拡大図版の採択など多様な視覚的装置が施され、猫という生き物が持つ生命力や愛らしさが韓国伝統の絵画の形で余すところなく伝えられるよう企画されている。画家は「猫の絵伝道師」としてたゆまず活動しつつ、猫が持つ魅力を世に知らしめようと努めているが、本書はまさにその努力の結晶ともいえるものだ。